「スーツ」と「セットアップ」・「梳毛」と「紡毛」 その①

さて、ここ最近はスーツをビジネスで着ない方からのオーダーが大変増えております!
テレワークや働き方改革など、スーツを着る人が減ると言われている中、日常でスーツを着ない方々からすると「スーツ」や「セットアップ」はカッコいい物であるようです!
大変嬉しい傾向ですね♪

そこでちょこちょこ登場する「スーツ」と「セットアップ」の差について、私なりの考えをお伝えしましょう!

接客の際に感じるのは、皆さん「スーツ」=「ビジネス」、「セットアップ」=「カジュアル」というザックリとした印象を持っているという事。
おおむねその印象で間違っていません♪
では、その印象が何に起因するのかという事ですね。

まずは、【スーツ】
これはまさに「上下ひと揃いの」と言うだけあって、上着とパンツが揃っていないとおかしい物ですね。
簡単に言うと、スーツの上着はジャケットとして使えません(着ている人もいますが…)。
上着単体で着た時にカッコ良くないと言うべきでしょうか?
「あの人のジャケット、スーツの上着だよね?」
と伝わってしまう感じです。
これは、ビジネスシーンでは「梳毛」の生地が使われる事が多く、艶感などが少しドレッシー過ぎてカジュアル感に欠ける事が原因です。
※上のELEGANZAのような生地ですね。

次は、【セットアップ】
こちらは、「上下が同じ生地で作られた」物ですね。
えっ?スーツじゃないの?
と言う声が聞こえてきました。
まあ、セットアップスーツと言うくらいですから、こんがらがるのは当たり前です。
言葉遊びになってしまいますが、単純に同じ生地で作られた上下であって、ひと揃いで着る必要は無いと言う事ですね!
セットアップと聞いて想像するコットン。
冬で言うと「紡毛」素材であるフランネルやツイードのような服地です。
ジャケットやパンツ単体で着るイメージが強いカジュアルな素材を、あえて上下で仕立てたスーツという事になりましょうか?!
※HARRISTWEEDは紡毛生地の代表格。

本当はスーツだけでなく、セットアップもビジネスシーンで着用して問題ありませんが、長年の間に刷り込まれた印象というものは中々拭い去る事はできませんよね。
クールビズは大きな一つの転換期でしたが、現在増加中の「テレワーク」も大きな転機となりそうです。
TPOは当然わきまえなくてはなりませんが、通常勤務で出社するのにドレスコードは必要ないという考えがもうそこまで来ています。

何も毎日スーツじゃなくていいわけです!
仕事内容や気分によって、自由にスーツを着られる時代が来たら楽しいですね♪
そのうち、「スーツは作業着」なんて言葉もなくなる事でしょう!

次回は、見た目の印象を左右する「梳毛」と「紡毛」について!
お楽しみに☆

topへ